猫の行動学

猫は本が好きなのか。猫を部屋に放ってその行動を見てみると、その行動パターンに猫の自尊心が見え隠れしていて興味深い。
始めは探るようにソロソロと忍び足で部屋にあるアイテムを物色する。ベッド、ベッドの下、ファイルケース、パイプ椅子、スピーカー、パソコン、マウス、卓袱台、本棚、ルパンのフィギュア、と体を擦りつけながら歩く。一通り周ると今度は飼い主の顔を伺いながら隙間を探してそこに潜っていく。こちらをチラチラ見ながら奥に入っては顔を出し、また別の隙間に無理矢理入り込んでは顔を出す。時折、ニャぁ、と小さく鳴いて自分はここを制覇したぞ、と軽く主張する。
そんな感じで適当にほっといていると、いつの間にか本棚に並んだ本の上に鎮座しているのだ。まだ子猫だから文庫本が並んだ上に身を置いても本が痛む事はないので、僕はそこで猫をジッと観察する。猫は目を眠たそうに瞬かせ、ゴロゴロと喉を鳴らし始める。何故かいつもこのパターンなのだ。たまに平積みになった雑誌の上に陣取るときもある。僕の膝の上に移動させても、欠伸をしながら本の方へと帰っていく。他の部屋なら喜んで膝に乗ってくるのに……。まぁ猫にも何か考えがあるのだろう。

参考:猫は人の言葉を理解しているか