インクレディブルマシーン

天井からテニスボールが落ちてくる。板を空中に配置して、目的の位置に誘導していく。ボールは地面に設置されたハサミの上に落ち、その衝撃で閉じたハサミによって横にあった風船の紐が切れる。風船は重力に逆らってどんどん上昇する。と、空中に配置されたミキサーの電源スイッチに風船が衝突し、ミキサーが勢い良く回転し始める。ミキサーにはベルトが取り付けられており、もう一方の端にはベルトコンベアがある。もうお分かりだと思うが、ミキサーの回転力によって、同時にベルトコンベアも動く。すると、コンベアの上にあったボーリングの玉が動き出し、それが地面に落ちると舌には小人が居て……。

インクレティブルマシーンの説明をしてみたが、これでは多分経験者にしかわからないだろう。インクレディブルマシーンとは、今の時代にあった言葉に換言すれば、ピタゴラ装置を自分で作れるゲームと言えば良いだろうか。
ピタゴラ装置にも言えることだが、人は皆、Incredible Machine的なモノへの憧れを持っている。なんて素晴らしい装置だ!こんなモノが機能するなんて信じられない!という様な感想を前述の二つのマシーンは抱かせてくれるからだ。
偶然性を操る神が如き現象を目の当たりにする事ができ、「神は賽を振らない」というアインシュタインの言葉を、自らの手でもって証明出来る。もう、世界はインクレディブルマシーンで構成されていると言っても良いような気がする。