頬張ろう、焼肉。

予ねてから行こうと思っていた焼肉屋に、友人とランチを食べに行った。
本厚木の駅から歩いて十五分程の所にその店はあり、割と賑やかな駅前に比べて寂れた印象はあるが、店構えは本場の雰囲気を醸し出しており、何より漂ってくる肉の匂いが食欲をそそる。
店に入るとおばさん二人が私達を迎えてくれた。教育されたチェーン店の焼肉屋の店員とは違い、ゆったりとした口調に居心地の良さを覚えた。店を眺め回すと何枚ものサインが飾ってある。見知った名前もちらほらとあった。
この店のランチは安い。その日私が頼んだ豚カルビ定食が七百円で、他もその前後でまとまっている。この値段でご飯どんぶり一杯、肉(自分で焼く)、キムチ等漬物四種、味噌汁、食後のリンゴにコーヒー牛乳、という内容なのだから驚くばかりである。しかも美味い。タレをつけた肉を白飯の上にのせてそれを箸で飯ごと掴み、そして頬張る。やはり焼肉には白飯が似合う。この時ばかりは酒を飲む気がしない。漬物も良かった。少量で多種類なので変化を楽しめるし、個々の味も素晴らしい。味噌汁も豆腐、葱、ワカメ等の定番的な具材で量もありホッとする味だ。
食後にリンゴとコーヒー牛乳が出てきたのには驚いた(韓国では当たり前なのだろうか)。油で満たされた口をさっぱりとリセットさせてくれ、会計の時にガムを出されるよりもよっぽど効果的で気配りがあるように思えた。
近い内にまた行く事になるだろう。とにかく美味かった。