読書100%

大学に入り、それ以前に比べて本を読む量は確実に増えた。しかし、微妙にだけど、徐々に本を読む速度が下がってきている様な気がしてならない。単に僕の頭が衰えてきたのだろうか。いや、もしかしたらそれは電車の中で本を読む事が多くなった事が原因なのかもしれない。
例えば、暖かい暖炉の前でロッキングチェアに座り、傍のテーブルには淹れたてのコーヒーとピースが置いてあり、小腹が空いたら誰かが焼きたてのパンを持ってきてくれる様な、そんな環境を100%の読書環境(つまり読書をするにあたって何一つ不自由しない環境)とすると、混み合った電車の中で吊革に掴まりながら片手で文庫本を読むという行為は、せいぜい数%程度の読書環境でしかないだろう。
読書をするにあたってプラス、もしくはマイナスになるものを挙げてみると

  1. 周囲の雑音(話し声、電車の走行音)
  2. 腹の空き具合(五〜七分目ぐらいが丁度良いのでは)
  3. 体勢(ソファの様に柔らかいか、人間工学的な椅子がベスト)
  4. 照明(明るすぎず暗すぎず)

などが挙げられる。
上記を主要素として考えると、四つの項目それぞれが20%を上限として変動し、最高で80%。その他のもっと個人的で細かい要素が残りの20%になり、全部で100%となる。とすると、僕が電車の中で読書をする場合、乗客の話し声+電車の走行音でまずは0%。腹はその日によって違うけれど、電車内では空いている事が多い気がするので5%。体勢は時間的に座れる場合が多いが、隣席に人が居ない事はほぼ無いので5%。照明は夜は良いが、昼は太陽光が断続的にくるので、これも5%。残りの20%は、車内の異臭、乗り物酔い、室温の調整が不可能、等の理由で0%となる(プラス要因が見つからない)。よって、僕が毎日行なっている電車内での読書は、15%の読書環境といえる(あくまでも僕の主観だ)。
こんな環境では本来の六分の一程度の読書速度しか出せない。速読とか言ってる場合じゃない、それ以前の問題だ。
まぁ、読書という行為は、特に僕のような集中力の乏しい人種にとっては、かなりその環境というものが重要視されるわけだ。先に100%の読書環境の一例を書いたけれど、最後に僕にとっての最高の読書環境を記して終わりにしようと思う。いつかそれを実現させるということで、現時点での解決法なんかはいつか思いついたら書こうと思う。
まず、冬場を過ごす為に暖炉は必需品だ。田舎にある実家では小さい暖炉があったが、それに適度に薪を燃べて程よい暖かさを維持すると、読書をするのに打って付けの室温が出来上がる。椅子は自分の体に合ったもので、なおかつ一枚の座布団なりクッションなりがあればそれを腰に当てたり出来てより良い。次に椅子のサイズに合った小テーブルが欲しい。その上にはコーヒーやピースや灰皿を置くわけだが、そこに携帯電話なんてものは置いてはいけない。無論、電話やそれに類するものは全て排除する必要がある。自分でトイレに行ったりコーヒーを淹れにいくという行為で読書を中断するのは、疲れた頭や目を休める上でも必要だが、電話での中断はそれはそれは腹立つ。だから駄目。夏はクーラーよりも窓を開けて自然の風を入れる。その方が体に良いし、指先が冷えずページ捲りもスムーズに行なえるだろう。さて、だんだん書く事が無くなってきた……眼鏡。も、大事かな。軽くてあまり度が強くない読書用のものが一つ欲しい。服装も、それなりに重要かもしれない。スーツや、それとは真逆のスウェット的なものだと、ちょっと極端すぎて頂けない。間を取る形で、甚平なんかはどうだろうか。自然と姿勢も良くなるし、夏は通気性も良いので重宝する。
なんか暖炉以外は直ぐにでも実行できそうだなァ。