ただの言葉

昨日の産経新聞に掲載されていた「朝の詩」が良かった。おそらく木彫りを仕事とする方の詩なのだろうが、書いてあることが説教臭いにも関わらずその詩の、まるで木から削りだされるような言葉のかけらが、読む者に全体としての詩を鮭を咥えた熊の木彫りの如くイメージさせる。その素直な想いは同じ熊の木彫りでも土産物屋で売っている凡庸なそれとは違い、踊り狂う鮭を命をかけて狩る熊の勢いに重なる。


ちょっと言い過ぎた。


詩といえば、この前本屋で買った谷川俊太郎の詩集「夜のミッキー・マウス」も素晴らしかった。その中に収録されている「なんでもおまんこ」に到っては男として共感を覚えすぎて、もうやりてぇよ……としか言えない。ラララ科学の子なんて目じゃないんだ。

夜のミッキー・マウス (新潮文庫)

夜のミッキー・マウス (新潮文庫)