親愛なる目へ

嘘つきが沢山泳いでいる水槽がある。その水槽も最近は大型化してきて、見る者は現実感を失いつつある。色と音の単調なパターンに巧妙な嘘を織り交ぜた特別な水は、ブラッドベリが抱いてきた未来に対するペシミズムの洪水に他ならない。僕は随分前にこれを学んだが、皆はその水を受動的に伝達しているという事を認識しなくてはならない。何故ならその水槽は自然発火して終には部屋にある紙という紙を燃やし、嘘つきはリング状の煙に乗って空から僕等に囁き続けようとするに違いないからだ。