ちんちんどんどん

さっき、久し振りにちんどん屋を見た。京都の舞妓さんみたいな格好をした二人の女性と、水戸黄門の八兵衛のような格好をした男の三人組だ。ずっとパチンコ屋の前にいたから、おそらくイベントの宣伝だったのだろう。女性がちんどん太鼓をかついで叩き、八兵衛はサックスでメロディを奏でていた。
子供の頃、僕はちんどん屋を見かけると決まってその後を付いていった。銭湯の脇を通り、公園を突き抜け、商店街へと行進していく。ちんどん屋が何処から来たのか、何故町を練り歩くのか、そういった疑問を抱え、好奇心と恐怖心が綯い交ぜになった奇妙な感覚をよく味わったものだ。大人になってちんどん屋を見てみると、そういう子供独特の感覚は無くなってしまっていたが、それでも彼等を見ていると心が休まった。
全国ちんどん博覧会というサイトのちんどん図鑑によると、多分僕が今日見たのは「アアトちんどん日の丸里ちゃん」というちんどん屋だ。住所からしてぴったり一致する。もしかしたら子供の頃よくおいかけていたちんどん屋もこの「アアトちんどん日の丸里ちゃん」かもしれない。もしそうなら、里ちゃんは僕のアイドルだ。