まずいから美味い

まずい物を積極的に取り入れることで、まずさの中にある中毒的な美味さを発見することが出来る。煙草や珈琲や酒がその代表だ。だからそれらの嗜好品に対して変に味付けや香り付けを行う事は邪道である。結果的に美味くなろうが、見た目が綺麗になろうが、元からあるまずさを完全に消し去る事は品質の低下を意味するからだ(愛好者の視点で)。
もし誰かさんが本気で喫煙者を撲滅したいと思うのなら、全ての煙草に濃い目の味付けをしてみれば良い(フルーツとか甘い味がベスト)。そうすれば喫煙者は一気に減るだろうし、初めて煙草を吸う人は想定の範囲内の味に拍子抜けして、中毒にならずに済むだろう。つまり、煙草はまずいから美味いのであって、しかも僅かな毒性がまた人を魅了するから止められないのだ。
ちなみに、ボクはD-specの煙草が基本的に好きじゃない。煙草の魔力を香水のきつい匂いで隠したような、強引な印象でどうも馴染めない。"煙草風"って頭に付けてくれたら納得できると思うんだけどね。