老人のマナーの悪さ

小田急線の電車内で6人の老人グループが大声で話し、水を飲み、煎餅を食い、サンドウィッチを頬張っているのを見て、ボクは「最近の老人はマナーがなっとらん」と思った。
優先席をVIPシートとでも思っているのか、床に地図とか広げて全員で覗き込んでいた。豪快すぎて途中からちょっと面白くなってきたので、ずっと観察していたら、一人の老人が床に置いていたエビアンを倒して水がこぼれた。あちゃー、と思っていたら、その老人は迅速にリュックから雑巾を取り出し、几帳面にかつ素早く水を拭き取った。水浸しの雑巾はビニール袋に入れ、またリュックに入れた。ボクは「さすが年よりは用意周到だなァ」と感心しました。

アイスの得する購入法

ハーゲンダッツのラムレーズンとガリガリ君を買った。この2つを同時に買うと、ガリガリ君の60円が消費税みたいに思えてくるから、お得。その足で友達の家に行き、勝手に冷凍庫にアイスを入れる。
一緒に図書館へ行き勉強。学習室の机に「東大合格!」とか「慶応に合格するぞい☆」などの落書きがある。学習室は窓全開でもかなり暑い。人も結構居て、老若男女問わず、皆一様に勉強している。そういう空間において、同じような方向性を持った人々が集まるとこちらの勉強意欲も沸いてくる、というか競争心が芽生えてきて、負けたくなくなる。
アイスを食べるためにいったん友達の家へ帰る。ガリガリ君を友達にあげ、ボクはハーゲンダッツをペロり。でもこんだけ暑いとガリガリ君も捨てがたかったので、半分もらった。そんでちょっとyoutubeとか見て休んで、また図書館行って、さようならを告げて、家に帰り「本を読む人々。」というのを見つけたので登録したった。本好きという同じ方向性を持った人々と戯れたいと思ったりした。

指型ボールペン

ゲドを読む。』を手に入れたので読んでいる。"文庫のかたちのフリーペーパー"で、デザインも良い。全5色なんだけど、各店舗の店員に手渡ししてもらうので色は選べない。心底集めたいけど、それはやってはいけないと思う。何故なら、この本は"文庫のかたちのフリーペーパー"だからだ。これが意味するところは想像以上に大きいと手に入れて改めて感じた。

でもホントは黄色がほしかったんだ……

グーグルはん

グーグルはんが迫ってきた。
初めは遠くにある一つの点だった。それが忍び足で近づいてきて、気づいたらとてつもなくデカいおっさんになって目の前で暑苦しくテカっていた。そんでノートブックとか便利すぎて使いまくっていたら、他のツールは静かに遠ざかって小さな点になっていた。それにさっき気づいた。今もグーグルのデカい顔が横で鼻息荒くギョロ目でボクとボクのパソコンを見ているけど、どうぞ、としか言えないので困っている。
あ、ノートのほかにも手紙とか地図とか地球儀をガンガン見せびらかしてきてる!こわっ!あとやっぱりギョロ目だ。

ほんの十年前

小学校の同級生たちと飲んだ。昔話をした。遡った。くだらない遊びを再現して童心に返った。髭生やして煙草吸って酒飲むくせに、小学生に一瞬なれた気がした。男とか女とか関係なく、皆笑ってあごが痛くなって、夜は公園でしんみりして、ブランコで気持ち悪くなったりシーソーで気持ち悪くなったりして、だんだん酔いがさめて再び大人に戻ってそれぞれの家に帰った。
振り返るとブランコがボロボロ

友人宅が廃墟

忍者屋敷みたいで楽しいぜ、とか言って遊び場になっていたT君の家が、当時(十年ほど前)の面影をそのままに廃墟になっていた。
T君の家は外階段が庇の上を通って二階部分に繋がっていたり、屋根の上に固定された自転車があったり、植物が色んな隙間から伸びていて家の中が森の匂いだったり、とにかく不思議な家だった。
そんな家が廃墟になったのだから、T君には悪いけれど、これはかなり楽しいことになっている予感がする。近々調査予定だ。

ミスド少女

電車に乗っていた。自由が丘辺りでボクの隣に誰かが座った。空色スカートの隣人は座ると直ぐにトートバッグからミスドの箱を取り出した。そして電車が発車する時には既に食っていた。ドーナッツを。もぐもぐ音が聞こえて、腹が減った。アメリカンフルーツジュニアがあるのならおくれ、とボクは言いそうになって唾をゴクリと飲み込んだ。膝上に乗ったミスドの箱の隙間から、幾つかのドーナッツが見える。電車の中でミスドとは新発想だ、とか思いながらボクは中目黒で降りた。外から見ると、ミスド少女はまだもぐもぐしていた。